看護部:たかの橋中央病院(広島市中区)
看護部長挨拶
超高齢社会の到来と医療費の高騰に伴い、病院を取り巻く外部環境は医療機能分化、地域包括ケアシステムの構築など大きく変化してきています。たかの橋中央病院は、開院以来30年の歴史を持つ一般病床104床の“地域に根ざした病院”です。ガンマナイフや体外衝撃波結石破砕術(ESWL)の治療においては地域の医療機関との連携を図り、多くの患者さんの診療を行っております。看護師は、患者さんが最善の状態を選択し、治療を受け、日常生活を穏やかに過ごせるよう支援しています。
また、看護部門は、「患者さん中心の視点」と「チーム医療の推進」を重要視し、質の高いケアを提供できるように、職員の教育体制を重要視しています。現在は、看護師教育」、「クリニカルラダー段階別研修」、「組織役割遂行段階別研修」、「セクション別教育」、「目標管理」の5つの柱を軸とし、臨床現場とリンクしながら看護実践能力、組織役割遂行能力、教育研究能力を磨くことができるように整備しています。
今後も、医療界の変化に柔軟に対応できるように、“学習する組織”の中でひとりひとりの職員が成長し、そして看護部門全体も向上できる環境作りに力を注いでいきたいと考えております。
今後も働き方改革の波にも乗りながら、看護職員が健康で安全に働けるように、医療安全や安全衛生の体制を整え、職員が職務満足を持って働き続けられる看護部門であるよう努めていきたいと思います。
看護部長 盛田早苗
看護部の基本方針
患者および家族の人権を尊重し、科学的・創造的かつ主体性のある看護を提供する。
- 患者のニーズを的確にとらえ、ベッドサイドケアの充実を図る。
- 他部門と協調し、患者中心の視点に立ったチーム医療を推進する。
- 地域との連携を図り、在宅復帰を支援する。
- 専門職としての必要な知識、技術を習得するための教育環境を作る。
2022年度の看護部門の目標
- 看護職員一人一人が倫理的感性、状況判断段能力を磨き、専門職として自立、自律した行動をとる。
- 看護reflectionを行い、看護を探求、探究し、看護の質を高める。
- 看護職員一人一人が臨床実践能力、組織役割遂行能力、教育研究能力を研鑽する。
- 多職種チーム医療による良質で効率的なケアを行うための情報収集、情報共有を強化する。
- 看護に関するデータの可視化を図り、病院組織の変革に貢献する。
- タスクシェア、タスクシフトを推進し、業務改善を図る。。

看護部の体制
○看護体制:急性期一般病床10対1
○変則勤務:2交代と3交代の混合制。
○固定チームナーシング継続受持制
部署の紹介
4階病棟
泌尿器科、整形外科、内科、循環器内科の55床の混合病棟です。泌尿器科では、膀胱がん、前立腺がん、腎がんなどの手術や抗がん剤治療、尿路系の結石に対する体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、前立腺肥大症に対するレーザー前立腺蒸散術などの治療を行っています。整形外科では骨折の手術や保存的治療、内科では心不全や肺炎の治療を行います。疾患の特徴から緊急入院が多く、平均在院日数が短い病棟です。看護師は周術期看護、がん化学療法看護、症状緩和を実践しています。
5階病棟
脳神経外科、血管外科、内科、循環器内科の49床の混合病棟です。脳神経外科では、転移性脳腫瘍に対するガンマナイフ治療、パーキンソン病や不随意運動症状に対する脳深部刺激療法(DBS)などが行われ、血管外科では下肢静脈瘤やリンパ浮腫の治療を行っています。また、内科の終末期の患者さんも多く、重症度や看護必要度の高い病棟です。看護師は患者中心の視点に立ったケアの実践や多職種チーム医療の調整役を担い、周術期看護や緩和ケアを実践しています。
外来
外来は内科、循環器内科、小児循環器内科、外科、整形外科、泌尿器科、ガンマナイフセンター、皮膚科のブースに別れて診療を行っています。一般診療の他に専門性の高い治療の介助も行います。外来患者さんの多くは、2週間〜1か月ごとに通院され、外来看護師は患者さんが在宅で苦痛なく生活できるように相談、支援、指導を行っています。
また、外来看護師はジェネラリストとして経験豊かな職員が多く、主とする診療科に従事しながら、複数の診療領域でスキルを磨いています。
手術室
1年間に約750件の泌尿器科、外科、整形外科、脳神経外科の領域の手術を行っています。手術室の看護師は、すべての手術が円滑に進むように、術前の段階から担当医師、麻酔科医師、外来看護師、病棟看護師と密に情報交換や連携を図りながら、患者の安全、安楽の確保に努めています。
看護部の教育体制
看護部は、どのように看護職を育成するのか?
看護部は5つの柱で人材育成をすすめています。
- 新人看護師研修
厚生労働省のガイドラインに準じて教育プログラムを作成し、新人看護師の職場適応ならびに基礎看護技術の習得を支えます。 - クリニカルラダー段階別研修
職員のT〜X段階のレベルにあわせて、臨床現場の学びや集合教育をリンクさせて看護師の看護実践能力を磨ける環境を整えています。 - 組織役割遂行段階別研修
組織の役割に応じた研修を計画、実施、評価して、看護師の成長支援を推進します。 - セクション別研修
専門領域の知識、情報を増やし、看護師の看護実践能力を磨きます。 - 目標管理制度
個々の看護師の目標の到達度を評価し、個人の成長、組織の成長に結びつくように推進しています。
【看護部門の院内研修の目的と目標】
→→→ここをクリックするとPDFが開きます。
〔看護部門の看護基準・手順〕と〔臨床看護実践〕の概念図
当院では、質の高い看護を行うために厚生労働省、日本看護協会、日本病院会等の情報を積極的に活用しています。
新人看護師研修の光景(4月)
4月の基礎技術項目の研修です。先輩看護師が丁寧に指導します。
新人看護師の教育体制
看護師の声
先輩看護師の出身校
1 愛媛県立医療技術大学
2 安田女子大学
3 岡山建部医療福祉専門学校
4 岡山県倉敷看護専門学校
5 岩国YMCA国際医療福祉専門学校
6 国立呉病院附属呉看護学校
7 呉市医師会看護専門学校
8 広島県厚生連尾道看護専門学校
9 広島県立皆実高等学校
10 広島県立三次看護専門学校
11 広島国際大学
12 広島市医師会看護専門学校
13 広島市立看護専門学校
14 広島大学医学部保健学科
15 広島都市学園大学
16 国立米子病院附属看護専門学校
17 埼玉県立衛生短期大学
18 飯田女子短期大学
19 福山市医師会看護専門学校
20 山陽看護専門学校
21 山陽病院附属看護学校
22 福岡看護専門専門学校
23 大阪府病院協会看護専門学校
24 東亜大学学園附属看護学校
25 日本大学医学部附属看護専門学校
クリニカルラダー段階別研修の光景
人材育成制度を活用して、「個々の職員の成長・進化・深化」⇒「看護部の成長・進化・深化」⇒「病院の成長・進化・深化」を図ることを目指しています。
研修修了後の登録制度
当院では、BLS、ACLS、静脈注射の実施に関する研修、ならびにクリニカルラダーレベル判定において認定証を発行しています。